☆No.11 ベル・エポック☆


突然ですが、

私は古い物が結構好きです。


常に新しい事に取り組む事を

目標としているので

私の事を知っている人にとっては、

意外に思われるかもしれません。



一口に「古い物」と言っても

色々あると思います。



私の場合、

アンティーク調の家具や

雑貨が好きだったり、


あえて懐かしいゲームを

物置から引っ張り出して起動させて

思い出にふける事だってあります。



後は、マニアとまではいきませんが、

廃墟も好きだったりします。



以前このエッセイにも書いた、「Phantasmagoria」も

廃墟の遊園地をテーマとしています。



実際に足を運んだことはありませんが、

ネットで廃墟マニアの写真を見ると

なぜかワクワクしてしまうのです。

かつて遊園地や水族館だった場所が

放置されている場所には、

レトロな文字の看板が

ボロボロになったまま残っていたり

鉄の乗り物が錆びて、

ゴロゴロと転がっていたりします。




そのような写真を見ていると、

小さい頃によく遊んでいた、

家の近所にも

客足が遠のいて、

やむを得ず閉鎖してしまった施設が

たくさんある事を思い出して

切ない気持ちになります。




後から振り返って

「あれは良い時代だった…」

「あれは楽しかったなぁ…」と思っても

もう同じ事を経験することは

無いのだと思うと

本当に悲しい気持ちになります。



そのような場所が無くなって気付くのは、

今、存在している全ての物が

必ずしも「ずっとあり続ける」とは

限らないという事です。




いつか、あの飲食店にある

あのメニューが食べられなくなってしまったら。

いつか、いつも通っていたお店の

店員さんに会えなくなってしまったら。

いつか、小さい頃に遊んでいた遊園地の

メリーゴーランドが回らなくなってしまったら。



―そう思うと、なんだか切ないですが

今を楽しんでおこう、今を存分に感じておこうと

強く思うのです。



なんだかネガティブな考え方かもしれません。

でも、あえてそう思うことで

私はこの瞬間こそが愛おしく感じます。




ハウステンボスの

「ホライゾン・アドベンチャー」が

もしクローズしたら

多分私は泣きます。(笑)←