☆No.13 生老病死☆


これは私が高校生の時のお話。


倫理の授業で、先生が黒板に

「生」「老」「病」という

3つの漢字を書きました。


「人間は人生で

決して避けられないものがあると

言われていて、それを『四苦』といいます。

生きる事、老いる事、病気になる事、

あとひとつは何か、分かる人いる?」



―もしかして。

と、私はすぐに答えが浮かんだのですが

緊張しやすくて恥ずかしがり屋な性格の私は

自分から発言する事はありませんでした(笑)



答えを言う生徒は誰もいなくて、

先生が「死」と書いて説明を始めました。


「『四苦』では死ぬことも避けられない、としています。

『四苦八苦』という言葉があるでしょう?

仏教においてはこういう考え方があるんですね」



―私の予想していた答えが合っていました。

それと同時に、認めたくはないけれど

認めざるを得ないなぁと複雑な思いになっていました。



「四苦八苦」の「八苦」ですが、

既に挙げた4つに加えて、


愛別離苦(あいべつりく)…愛する人と別れる苦しみ

怨憎会苦(おんぞうえく)…嫌いな人と出会う苦しみ

求不得苦(ぐふとくく)…欲しい物が得られない苦しみ

五蘊盛苦(ごうんじょうく)…心と身体における苦しみ


で8つになるそうです。


書きながら思い出しましたが、

倫理のテスト対策で

呪文のように上記の4つを暗記していました(笑)



―たとえ今は病気にかかっていなくても

時々風邪をひいてしまったり、

今は生きていても

「いつか人間は死ぬんだ」

ということを知っていると

どこか苦しい気持ちになります。


また、生きていても

歳をとって体力が落ちたり

嫌いな人と出会ってしまう事があったりと

多くの苦しみが訪れます。


そう考えると

「じゃあ生きてても死んでも苦しいじゃないか」

と感じますよね(笑)



もちろんこれは仏教の考え方ではありますが、

私はこの「生老病死」をネガティブな要素とせず

少しでも良く生きてみたいな、と感じます。



せっかくこの世に生まれたのだから、

何かを残してみたい、とか。

世界中でたった一人きりの存在なのだから

自分にしか出来ない事があるはずだ、とか。



生きる意味は、生きながら探していくもの。

私はそう感じています。








「生きていてよかった」と思える瞬間を

少しでも多く作りたいものです。